学校で「今」やっているところを勉強します

「スモールステップ進級式」「無学年方式」「オーダーメード・カリキュラム」

 

確かに魅力的に聞こえますよね。

生徒さん一人一人に合わせた指導をしてくれそうです。

「できなくなったところまでさかのぼって、そこから始めましょう、」ということです。

 

ある程度、本当ですし、実際こういことをうたっている塾でうまくいって成績を伸ばせた方も多くいるでしょう。


でもこれら、その本質は残念ながら経営的な都合によるものなのです。

私も個人塾を経営しているので、「こういうのを導入して、楽に売り上げをあげませんか?」というダイレクトメールや宣伝のeメールや電話がしょっちゅうきます。

「この教材(やシステム)を使えば、先生のやることは生徒の入退室の管理だけになりますよ。」と、それらの営業担当者は押してきます。

 

確かに、少数の先生で複数の生徒さんをみるためには、ほっておいてもできるような内容を中心にすすめるしかありません。

複数の生徒が、1つ1つ説明してもらわないと教材をすすめられないようでしたら、とても教室は回りません。手も足も出ず、時間内ずっとぼーっとしているだけの生徒さんも出てくるでしょう。そうしたら授業料を返せ、という話にもなりかねません。

 

 

ここまでは極端な例かもしれませんが、少なくても・・・

成績下位層のお子さんに、学校で「今」やっているところの補習をする

・・・というのは、かなりの労力がかかります。

  

成績下位層の生徒さんというのは基礎的なことが何も身に付いていないので成績下位層であり、一人の先生がその生徒さん一人につきっきりでみて、はじめて何とか進むかもしれない、というくらいの話です。

完全1対1のマンツーマン指導を専門に、経験と実績を備えた井出進学塾でもいまだに大変と感じるところです。

 

でも、だからといって、それでいいのでしょうか?

1人1人にあわせた指導・・・

それは、自力でできるものだけをやらせておく勉強法のことをいうのでしょうか?

 

そんなことないですよね。

学校で「今」やっているところを中心に、必要なことはさかのぼり、その生徒さんなりに可能な限りその単元の理解を深める。

 

それが1人1人にあわせた指導・・・といえます。

井出進学塾の1対1の個別指導ならそれができます


(注。ここから下は補足です読まなくてもけっこうです)

 

誤解しないでいただきたいのですが、

「スモールステップ進級式」「無学年方式」「オーダーメード・カリキュラム」

これらのものを導入している塾を非難するつもりはありません。

経営的必要からやっていることです。

そうしなければ塾として経営が成り立たないことは、私も同業者として理解できます。

実際こういうところではたらいているバイト・スタッフの収入は時給換算で最低賃金を下回るという話はよく聞きますし(塾業界というのはブラックバイトとして有名です)、専任の先生も似たような状況でしょう。経営学にそれほどくわしくはありませんが、本部が暴利をむさぼっているというわけでもなく、企業として最低限の内部留保を蓄えているだけと推測できます。


逆に大手の1:2(先生1人に生徒2人)の個別指導を提供している塾では、完全にマニュアル化した教材で予習中心の授業を行っています。バイトの先生が多いので、今やっているところやさかのぼったところの質問を避け自分たちの土俵の上で授業を回せるようにこういうスタイルをとっているのでしょう。

本質的には上記のものと同じですが、ぴったりはまって成績を上げられる生徒さんもいるでしょう。


井出進学塾でも、成績上位層の生徒さんにはどんどん先行学習をすすめています。

例えば、富士高に行かれる生徒さんですと、平均2年の終わりころには3年生の学習内容も一通り終わっております(これは意図的にそうするわけではなく、自然な流れでそうなります)。

ただし、小学生の生徒さんには成績がよい子でも今の学校の授業を大切にしてもらいたいため、予習は最低限度におさえるようにしております。