向心力の大きさはいいですよね。
ここで使われている文字を使えば…
…の形で表されます。これで、④か⑤にしぼられました。
(この式については、第1問問4「磁場内の荷電粒子の運動」でもくわしく扱っています。)
等速円運動をしている物体には向心力がはたらいています。
向心力がはたらくので、円運動をするともいえます。
向心力 F は回転の中心に向かう向きにはたらく力です。
この力により、物体は常に運動の向きを変え、円運動することになります。
一方、円周上の各点での物体の運動の向きは、その点における接線の向きになります。
接線と半径は垂直に交わりました。
90度なので、物体の運動方向に向心力がはたらく成分は「0」です。
「仕事〔J〕」とは、「力の大きさ〔N〕×力の(はたらく)向きに動いた距離〔m〕」で定義される物理量です。
向心力は、物体に対し仕事をしません。
正解 ⑤
音源が動くとその速度によりドップラー効果が起こりますが、
速度の観測者に向かう成分が、ドップラー効果に関わります。
(図2では、「速度のPQ方向の成分」で表されています。)
音源の速度は円の接線方向です。半径と垂直になります。
図2で、音源Pは時計回りの方向に円運動をしていますので、Pの位置からAの位置に向かうにつれて、速度のPQ方向の成分が大きくなっていくことを、図で確認しましょう。
緑の矢印で示した音源の速度そのものは変化しないことに留意しましょう。
ここから時計回りの方向へ、音源Pは動いていきます。
PQ方向の(観測者へ向かう)速度の成分は赤い矢印で示しています。
緑の矢印の長さは同じですが、赤い矢印は長くなっていくことがわかりますね。
音源が観測者(Q)に向かう速度が大きくなっていくので、ドップラー効果により、観測者が観測する振動数は上がっていきます。
点Qから円に引いた接線のうちの1つのAの位置にきました。
ここでは、図からわかるように音源の速度が、そのまま観測者Qに向かう速度になります。
この位置で、速度のPQ方向の成分は最大で、観測者が観測する振動数も最大です。
ここから先、速度は小さくなっていき振動数も下がっていきます。
点Cでは、速度のPQ方向の成分が「0」です。速度が0なので、ドップラー効果は生じません。
観測者が観測する振動数は音源の振動数 f₀ そのままであり、f=f₀ となり、ここが1つ目の答えです。
ここから音源は、観測者に対し逆方向の速度をもち始め、ドップラー効果により振動数は探し始めます。
点Aと同じく、点Qから円に引いたもう1つの接線と円の接点であるBに、Pがきたとき、音源の速度がそのまま逆向きの観測者の速度になります。
負の向きでの速度が最大なので、観測者が観測する振動数は最小です。
ここから、負の向きの速度は小さくなっていき、振動数も上がっていきます。
Dの位置で、音源の速度の観測者に向かう成分は「0」になります。
観測者が観測する振動数は音源の振動数 f₀ そのままであり、f=f₀ となり、ここが2つ目の答えです。
正解 ⑥
点A、および、点Bでは、音源の速度の向きと観測者に向かう方向が一致しているので、音源の速度 v をそのままドップラー効果の公式にあてはめればいいです。
もちろん、このくらいは覚えている公式にあてはめればいいですが、
観測者が観測する振動数は、点Aで最大、点Bで最小です。
分子が同じなら、分母が小さいほど全体は大きくなり、この運動で・・・
分母が最小になるのはPがAにきたときで、「V-v」
分母が最大になるのはPがBにきたときで、「V+v」
・・・となることくらいは、確認しておきましょう。
この問題では、この2式から「v」を導くことも求められています。
v の方の選択肢の式をみますと、「f₀」がないので、f₀ を消すことを考えればよいとわかります。
どちらかを、f₀=...に変形して、もう一方に代入すればとけますが、ここでは2式の辺々をわって分数にする方法で進めてみます。f₀ を消したいので、こちらの発想の方が自然でしょう。
①÷②を考えます。
上図のように、縦に並べて、分数の棒を入れて考えてみるとよいでしょう。
f₀ が約分で消え、これで目的の半分以上は満たせているとわかります。
正解 ⑥
観測者が動く場合も、
観測者が音源に向かって進んでいく方向で振動数は大きくなり、
観測者が音源から離れていく方向で振動数は小さくなります。
(公式でいうと、分子が大きくなったり小さくなったりします。)
問2の状況と同じく、観測者の速度の音源に向かう成分は・・・
点Aでもっとも大きく、点Bでもっとも小さくなります。
振動数も、点Aで最も大きく、点Bで最も小さくなります。
正解 ①
ドップラー効果について・・・
・音源が動く場合→「波長」が変化
・観測者が動く場合→「音波の相対速度」が変化
・・・各公式はこれから導かれていますし、テストのときもこれさえ覚えていれば対応できます(対応できるようにしておくのが、大切なのですけどね)。
(a) (b) は図1で「音源が動く場合」、
(c) (d) は図3で「観測者が動く場合」
…おそらくですが、正しい選択肢はそれぞれの中から1つずつでしょう。順にみていきます。
(a) (b) ・・・図1:「音源が動く場合」
音源が動く場合、変化するのは「波長」であり「音の速さ(相対速度)」は関係しません。
(a) の選択肢は誤りです。
また、(b)について、円の中心Oに観測者がいるとして考えてみましょう。
円の半径と(音源の移動方向である)接線は直角に交わるので、音源は常に円の中心に向かう速度の成分は持っていません。よって、円の中心Oにいる観測者からするとドップラー効果はおこらず、常に音源の振動数 f₀ がそのまま観測されます。この選択肢は正しいです。
(c) (d) ・・・図3:「観測者が動く場合」
(c) ちょっと、とまどってしまうかもしれませんね。話題はすでに図3に移っているので注意です。
設問もよくみましょう。「音源から見た音の速さ」です。・・・「観測者」は関係ないですね。
音源からは、どの方向にも同じ速さで音が進んであたりまえです。
そういえば、リード文(問題の一番最初についている文)にわざわざ「全方向に等しく音を出す…音源
」という確認もありました。この選択肢は正しいです。
この設問の最初に確認したように、観測者が動く場合のドップラー効果は、観測者が動くことによって変化する音波の「相対速度」が原因でした。相対速度ということは、音波の速さそのものは変化しません。
その確認にもなりますね。
(d) これも最初に確認した内容です。観測者が動く場合のドップラー効果は音波の相対速度によるもので、波長は変化しません。この選択肢は誤りです。
正解 ④
第3問は以上です。
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