このページの穴埋だけと考えても答えられる問題ですが、次のページ(下書きページがあるので2ページ後)の〔先生〕と〔生徒〕の対話の内容と合わせて考えるといいでしょう。
終端速度では、力がつり合い等速直線運動をしています。
物体を落下させると、重力により物体は加速していきますが、
速度に比例して抵抗力も大きくなっていき、
ある速度(終端速度)で、重力と抵抗力がつりあいます。
運動方程式で考えてもいいでしょうね。
問題に合わせ、物体の質量を m 、重力加速度を g 、抵抗力の大きさを R とし、
物体にはたらく加速度を a (鉛直方向下向きを正)とすると・・・
(複雑な数式は、このHPでは無理なので、一ここから先、一部画像になります。
フォントのちがいは、ご了承ください。)
運動方程式 ma = mg-R ・・・① が成立します。
抵抗力 R は速さ v に比例すると考えると、正の比例定数 k を用いて、
R = kv
これを①に代入し、
ma = mg-kv ・・・②
終端速度では下向きの力 mg と上向きの力 kv がつり合っているので、加速度 a=0 です。
設問の方はいいですよね。
物体を落下させると、物体は空気から「逆向き」の抵抗力を受け、抵抗力は速さに比例するので「増加」していき、それにより下向きの加速度は「減少」していきます。
正解 ⑥
表1より、n=3のとき、下の方では「1.3 s(秒)」と一定の値になっています。
これを終端速度としていいでしょう。
答えの方の単位が〔m/s〕(=秒速~m)となっています。
20 ㎝ は〔m〕単位に直し、「20×10⁻² m」として計算します。
(「c(センチ)」はもともと「100分の1」という意味です。)
秒速(1秒あたりに進む距離)を知りたいので、この 「20×10⁻² m」を「1.3秒」でわればよいです。最初から〔m/s〕の分数の形にあてはめればいいですよ。
「分母を簡単にする」のが原則です。
0.13を簡単にするために、分母・分子に100をかけましょう。
ちょうど分子の10⁻²も消え、簡単な分数になります。
後は、「分子÷分母」で20÷13の計算をし(ひっ算でいいですよ)、有効数字2桁なので「1.5」という値を得られます。
10の指数も入れるので注意ですね。何もないので「0」を入れます。「10⁰=1」です。
答えは、 1.5×10⁰ m/s の形で表されます。
正解 9:① 10:⑤ 11:⓪
「予想していた結果と異なるのはなぜか?」・・・ではなくて、
「予想していた結果と異なると判断できるのはなぜか?」…なので注意です。
・・・ここを読み違えると、ムダに時間がかかってしまいます。
また、こういう問題で消去法に頼るのは、あまりよくありません。
正面から、しっかり考えて正解の選択肢を選び出しましょう。
「消去法に頼るな!」は、大学入試で正しい心がまえです。
正面から考えるため、「予想」が何だったかから、確認しておきましょう。
14ページの最後の文です。
「v₁(終端速度)は n(アルミカップの枚数=質量)に比例する」…でした。
比例のグラフの特徴は何だったか?・・・中学校のときの勉強を思い出しましょう。
ここでいうと速度と質量のように、2つの要素をもつ測定値をグラフ上にとったとき、それらの点が…
「原点を通る直線上(直線の近く)にある」とき、
それらの2つの要素には、比例関係がある…といえました。
図3をみてみましょう。
これらの5つの点は、直線状に並んでいるといえなくはないです。
ただし、その直線は、原点を通る直線にはなりませんね。
このことが書かれている②が正解になります。
他の選択肢も一応確認しておくと…
① n が増えると vfが増えるのは予想通りです。
③ 反比例はしていません。
④ n が自然数なのは、最初からあたりまえです。
1枚~5枚まで調べているので「とびとび」とはいえないでしょうね。
正解 ②
「原点を通る直線」=「比例のグラフ」
・・・なので、「y=ax」の形にできれば、原点を通る直線になります。
k’ や g など、一定の値のものは、すべて比例定数 a に入れて考えることができます。
頭の中だけでも考えられますが、ここではわかりやすいように式にして考えてみます。
よって、まず④が正解とわかります。
また、この式の両辺を2乗して・・・
⑧も正解だとわかりました。
正解 ④⑧
まず、問題の目的を確認しましょう。
19ページの最後の文にあるように、「R と v の関係を示すグラフを描く」ことです。
問一でも確認したように、速度 v=0 のとき、抵抗力 R=0 であり、
落下速度が上がるにつれて抵抗力も増加していき、
v=vf(終端速度)で、R=mg となり、加速度 a も a=0 となり、物体は一定の速度で落下するようになります。
v は最大で vf なので、0 から vf までのグラフになります。
v=0 で R=0、v=vf で R=mg なのですが(上図の赤点)、その間がどうなっているかのグラフを描くには?・・・というのが、この問題です。
この2つの点の間は、
問1(p14)で仮定したように、R=kv なら直線になり、
問4(p17)で仮定したように、R=k'v² なら放物線になりますが、
おそらく、その間を通るような曲線になり、R=kv(抵抗力は速さに比例)と R=k'v²(抵抗力は速さの2乗に比例)のどちらにより近いといえるか?・・・それを調べてみようというのがこの問題です。
先に〔オ〕の方からみますが、私たちは問1ですでにこれは確認しています。
運動方程式 ma=mg-R が成り立つのでこれを変形して
R=mg-ma ・・・選択肢に形を合わせ…
R=m(g-a) ・・・① (オは⒞)
これにより、抵抗力 R と加速度 a の関係は式に表せました。
つくりたかったのは、R と v の関係を表すグラフです。
v と a の関係を調べられれば、v に対応する a を①式に入れ、v と R の関係を調べることができます。
そこで、問5〔エ〕のような作業をします。
図4の y-t グラフは、実験で得られた結果です。
Δt(=0.05s)ごとの平均の速さ v を求め図5の v-t グラフが得られます。
同様に v-t グラフの Δt ごとの速度の変化を求めることによって、a-t グラフをつくることができます(⒞)。
なお、グラフから読み取れる数値から、大ざっぱですが調べてみると、次のような a-t グラフができました。
(注:t=0のとき、v=0なので、加速度 a は重力加速度そのままで g としています。)
一応、確認しておきますと、
図4の y-t グラフで 0.2s あたりから、グラフは直線状になり、等速直線運動をしていることがわかります。
図5の v-t グラフでも、0.2s あたりから速度が一定、a-t グラフでも 0.2s あたりから加速度が0になっています。
なお、問題がよくできていることも、確認しておきましょう。
〔エ〕の選択肢について、
まず⒝ですが、確かに v-t グラフから終端速度は求められますがそのときの加速度 a は「0」です。
よって、R=m(g-a) に a=0 をいれたら、R=mg で一定で v が出てきようがないですね。
上のグラフでも R=mg の水平なグラフになります。
⒜も、そもそも「すべての点のできるだけ近くを通る一本の直線」というのに無理がありますが、引けないことはないですし、その傾きから a が求められるというのも、うそではないです。
しかし、それによって求められる a は(直線なので)1つの値だけですよね。
よって、⒝と同じように v-R グラフは水平な直線となり、v と R の関係を推測しようがなくなってしまいます。
v と a の関係を求めたいという意識があれば、2つとも簡単に消せる選択肢でした。
正解 ⑨
第2問は以上です。
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